Alphaシートの使い方

SIN

Alphaシートは、業績を正確に予想し、投資家の心理を読んで投資判断をするための強力なツールです

このAlphaシートは印刷して使ってください。実践の際には記入用のペンも用意しましょう。ここでは各項目について説明します。講習動画では「くら寿司」を例に説明しています。

【1銘柄選び】

基本的に決算投資は、やりたい企業をやるという方針です。とくに大きな縛りなどはありません。

「日経新聞 」

まず決算を日付で検索する。

選ぶ業種によっては明確に難易度の差があります。以下に難易度のランキングを作りました。

決算投資をしやすい業種ランキング
  1. 小売業、小売り関係のサービス
  2. 食品、食品関係のサービス
  3. 製造業全般
  4. その他の業種
  5. 基本的にやらない:医薬品・土木

初心者は「業種」を見てランキング上位と同じものを選びましょう

「SBI 決算スケジュール」

決算の日付はこちらの方が見やすい。

決算発表が15時以降であることを確認する。コンセンサス予想があるとやりやすいので初心者はそれを選ぶ。

「SBI株アプリ」

窓とはチャートの空間のこと。出来高を確認する。取引が可能な株価かを確認する。

資金が少ない人は「S株」を利用する。

【2事業を知る】

・・・しっかりと調べればギャンブルじゃなくなる

「SBI株アプリ」

「株アプリ」で四季報を読む。売上の構成比と売上高利益率に注目する。特色の分からない単語は調べる

四季報の説明↓

説明
【ジャパンナレッジ】四季報の読み方
【ジャパンナレッジ】四季報の読み方

「有価証券報告書」

Googleで「会社名 有価証券報告書」と調べる。

「事業内容」「状況」「課題」「リスク」について読む。スマホでやるならpdf資料をダウンロードしなくていいoperaブラウザがおすすめ。

「過去の決算短信」

最近の決算短信の日付を見て、発表四半期の会計期間を把握する。会社の状況を理解するために過去2つの経営成績に関する説明を読む。

https://s.kabutan.jp/stocks/2695/news/

「任意:HP」

会社のHPを見て商品の内容を勉強する。

「会社名 事業内容」で検索。

「理解度」

商品・サービスの内容を理解した。主要顧客を理解した。売上の仕組み・タイミングを理解した。主原料や費用を理解した。業績を左右する事象を知った。

「決算・材料ニュースとチャート」

過去の決算・材料ニュースを見て、株価が変動した理由を理解する。

材料ニュースhttps://s.kabutan.jp/stocks/2695/news/?news_category_id=2

決算ニュースhttps://s.kabutan.jp/stocks/2695/news/?news_category_id=3

それを2回前までさかのぼって確認する。

「理解度」

2回前までの決算で、株価が変動した理由を理解した。

【3業績を予想する】

「発表四半期の売上を予想」

発表四半期の期間は2の理解度を参照。まず月次報告書があるか検索する。

ある場合→「全店」の発表四半期の3カ月の前年比を足し、3で割って売上を求める。

発表四半期の売上を計算(くら寿司)

発表四半期=11月、12月、1月(1Q)

それぞれ前年比=+1.8%、+5.0%、+5.7% → 平均すると+4.166…%

つまり、国内事業の売上は前年比4.166%の成長!

「全店売上」:新規店舗の売り上げを含む全店舗の売上

「既存店売上」:出店から一定の期間(15ヵ月など)経過した店舗だけを対象とする売上

無い場合→指標やニュースを調べたり、以下のテーマの関連を調べる。

指標
  • 「一般消費者」消費者物価指数、消費動向指数、消費活動指数、ウォッチャー調査など。
  • 「企業」企業物価指数、企業向けサービス価格指数など。
  • 「製造業」機械受注統計、鉱工業生産指数。
  • 「海運」海運指数。
  • 「海外」ISM製造業景況感指数、シカゴ購買部協会景気指数、S&Pケース・シラー住宅指数など。
ニュース
  • 「業種名+業界+何月」と検索
テーマ

・値上げ・インバウンド消費・旅行・人流増加・外国人観光客・コト消費・EC化・デジタル化・共働き・東京一極集中・売り手市場・円安・賃上げ・人手不足・サプライチェーン問題

このサイトは経済指標について解説しています。ぜひ勉強してください。

【FundaNavi】各業種の網羅的な経済指標を解説してるサイト
【FundaNavi】各業種の網羅的な経済指標を解説してるサイト

例・・・くら寿司の北米の売上をCPIの変動から考える。

何も手がかりがないなら、類似企業の業績を参考にする。

(これはスシローの3カ月業績)

「発表四半期の経常を予想」

主原料の価格が前年比でどうなっているか調べる。費用の増減はテーマを参考にする。中期経営計画などから設備投資の姿勢を読む。なるべく正確な予想を心がける。

発表四半期の経常利益はざっくり予想しよう。

「今期の売上を予想」

商品・サービスの動向、例えば外食なら人流増加が継続しそうかなどを調べる。他、決算短信や有報から分かった業績を左右する事象について調べる。

発表四半期以降の売上をざっくりと予想する。季節性を考慮する。

「今期の経常を予想」

主原料のこれからを調べて予想する。継続的、もしくは一過性の変動ならそれを考慮する。他にテーマの動向も調べる。

今期経常をざっくりと算出する。

「通期の市場予想と比較する」

市場予想とはコンセンサス予想のこと。コンセンサス予想は[業績]>[アナリスト予想]から確認できる。

もしコンセンサス予想が無い場合、会社予想が代わりに市場予想になる

銘柄選びの段階でコンセンサス予想がある銘柄を選ぶ理由は、あった方が比較基準が分かるから。そして、経常利益の予想が上振れしそうなら、決算で上昇する予備軍である。

ここがポイント

経常利益が「上振れ」にならない場合、買うのを見送る。

あとはチャートを読んで適性を判断する。

【4チャートから割安度合いを読む】

株価は決算前に織り込まれると、たとえ好決算だったとしても下落することがよくある。そこで、最近の決算で上昇しやすい3つのパターンを紹介する。ただし、これはあくまで最近の傾向に過ぎないので、勝ち続けるためには、後で説明する「価格帯別出来高の心理の把握」をマスターしてほしい。

「上昇する3パターン」

「悲観・好業績発表型」投資家が決算発表を恐れて投げ売りしている状態。この心理が蔓延している中、好業績が発表されると株価は一転して上昇をみせる。(笑美面)

「好業績・トレンド踏み上げ型」数ヶ月間にわたって上昇トレンドをつくってきた場合、その流れに乗じて決算後に株価が踏み上がるパターン。利益確定よりも楽観する投資家が多いため、決算翌日に売られづらい。(山崎パン)

「1Q好業績・通期上振れ期待型」1Qの経常利益が、何かしらの理由で前年同期比で大幅に増加して着地し、それを見た投資家たちが通期の上振れと上方修正を連想するため、株価が押し上げられる。織り込んでいて既に上がっていた場合でも、利益確定よりも買いの勢いが強くなりやすい。(くら寿司)

「価格帯別出来高の心理把握術」

これをマスターすれば3つの型に囚われず、各チャートに表れる投資家の心理を読み取ることができます。ここでは価格帯別出来高による心理把握を教えます。

価格帯別出来高を表示すると、どの価格で、どのくらいの量が決済されたのかが一目で分かります。

このように、上値が軽い場合に株価が上昇しやすいです。

一方で次の画像は、高い時に買った人が多く、売り時を逃した投資家が多そうだと想像できますね。このような上値が重い場合には買いません。(絶対に下落するとまでは言えないが買いは推奨できない)

この心理を読む感覚は経験で磨かれるので、毎回かならず価格帯別出来高をチェックしましょう。

【5サプライズを考慮する】

この5番は難しいので、余裕があればやりましょう。

ここではサプライズの可能性を予想して確度を高めます。

「上方修正」

ほぼ必ず上昇するのが「修正後の経常利益がコンセンサス予想を上回る上方修正」のパターンです。

会社は当初立てていた経常利益の予想を、社会情勢の変化などの理由で修正する場合がある。社会情勢の変化が大きく、影響が持続しそうな場合に修正することが多い。

有価証券報告書などで会社が認識しているリスクを確認してみよう。

ここがポイント!

売上を上方修正しても、経常利益を下方修正したら株価は下がりやすいので、経常利益が上方修正されるかが重要です。

「増配」

注意⚠:ここでは項目にチェックが入っても上がる訳ではありません。あくまでも企業理解を助ける内容です。

連続増配してきた企業や、株主還元に意欲的な企業に増配する傾向があります。連続増配してきた企業が増配を発表するのは織り込まれています。

「自社株買い」

手間がかかる割にリターンが少ないので、ここは任意です。

株主還元に意欲的な企業が増配する傾向。業績が低調でも実施することがある。

貸借対照表にある利益剰余金の推移から可能性を模索することはできる。PBRが1倍以上が要件。

売買基準

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3,4で分かったように、コンセンサス予想を上振れしそうで、上昇パターンにある場合は「買い」が推奨。買わない場合はチェックしない。

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